フジヤマ・ゲイシャ考④

しばらくサボッておりました。「日本海軍艦船名考」(浅井將秀編、東京水交社版 昭和3年)を読んでいたら、「フジヤマ」なる軍艦を発見しました。木造、排水量1,000トン、350馬力、製造場所「米國ニウヨルク」となっております。さらに「元治元(1864)年製造、徳川幕府の軍艦、富士山と命名す。慶応元年横浜到着。明治元年4月、徳川幕府より朝廷に納む。」とあり、とんだところでフジヤマが出てきました。

 実は、別の件を調べておりまして。かのダーウィン先生が乗っていたビーグル号が日本にあった、というハナシ。鹿児島(薩摩とは書いてないのが不思議なんですが)藩の軍艦、乾行(けんこう)木造、522トン。「この艦につき、一の物語あり。1859年建造とあるは船体を大改造又は大修理の意か。実はこの艦はかの原種論(つまり、種の起源)をもって有名なる『ダーウヰン』の南洋探検に座乗せる英艦『ビーグル』にして後『ストーク』と改名したり。而して『クリミヤ』戦争にも従軍したる事蹟あり。鹿児島藩にて購入(元治元年)の節にも弾痕数箇所ありて英人は頗る之を誇り居たりという。」トリビアに出せるかも。(続く)

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コメント: 2
  • #1

    佐竹真一 (月曜日, 20 6月 2011 11:28)

    薩摩の軍艦「乾行」が、元英艦「ビーグル」であったとは、ビックリ、ですなぁ。これだから、歴史探訪はやめられません。その後、「乾行」はどうなったのでしょう?

  • #2

    中村敏 (火曜日, 21 6月 2011 21:47)

    wikipediaで「乾行」を調べたら、「ダーウィンの乗船したビーグル号が後に本艦となったという話も存在するが、年代が違い明らかな間違いであるという」とあります。(『聯合艦隊軍艦銘銘伝』p194-195による)真相は如何に?!
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%BE%E8%A1%8C_(%E7%A0%B2%E8%89%A6)#cite_note-1