日本の海水浴(場)に関する知見⑥再び海濱院

明治20年7月30日付大日本私立衛生会雑誌(第50号、東大の明治新聞雑誌文庫蔵、誰でも読めます)によれば、イタリアが1842年にウィアレギオで海濱院を開設したのが初めてのようになっておりますが、さにあらず。かのリチャード・ラッセルのブライトンではなく、J.C.Lettsom(レットソンですかな)が1791年にマーゲイトに開設したほうが大分古い。しかもこの王立海濱院、1991年まで存続していたというから驚きです。今は分譲マンションになっているようですが、カール・マルクスが1866年に腫物の治療に4週間滞在していることでも有名。(ネタ本があるのですが、今年の研究発表に使いますので、今はナイショ)漱石先生も下宿にこもってばかりいないで海水浴でもすれば鬱にならなかったのにね。それから、河東碧梧桐が沙美海濱院で俳句三昧をやった、という記事を見つけて全集20巻を総ざらえ(出た!)したところ、明治43年に確かに沙美に滞在したことが17巻に出てました。(続く)