日本の海水浴(場)に関する知見⑤

 鎌倉に海濱院という施設がありました。サナトリウムと単に書いてある記事は読まない方がよろしい。開設者長与専斎は「西洋にいわゆるサナトリア・マリチマ」と書いており、海水による虚弱者(児童を含む)用医療施設であることが明らかです(けど、現物を読まないヒトが多いので、書かれていないワケ)。海水が身体にイイというのは吾輩は猫の中で言われているもので、1750年にリチャード・ラッセルという医師が、ときちんと説明しています。 (漱石先生、エライ)鎌倉の海濱院は数年を経ずして経営が困難になり、ホテルになりました。戦後、進駐軍が接収していましたが、下っ端(かどうかは不明)が火の不始末をしでかして焼失。現在跡地はテニスコートになっているとのこと。もう一つ、須磨に海濱保養院というのもできましたが、これもあまり長続きしなかったようです。(続く)