日本の海水浴(場)に関する知見③

拙稿「日本の『海水浴の大衆化』について」、ごらん頂けましたか。これは「日本の海水浴というものは、西洋人が持ち込んだもので、それを上流階級の連中が健康法として好み、やがて一般大衆にも広がっていった」というトンデモナイ俗説を抹殺するために書いたものです。(もっとも、俗説はまだはびこっておるようです。)海水浴に関する先行研究でよく引用されているのがO某氏の論文ですが、誤りが極めて多く、「これを引いちゃー、オシメーヨ」というくらい。また、これを無批判に引用する人が多い。せっかくですから、ひとつご指摘を。「後藤新平の書いた『海水功用論 附海濱療法』は国会図書館に所蔵されていない。」というくだりがあるのですが、まったくの誤り。同論文が書かれる以前に国会図書館の所蔵になってます。探しにくいのですが、ないことはない。ないのは探すウデばかり。(続く)