フジヤマ・ゲイシャ考②

しかし、戦後の国会答弁などでは、戦前の観光が「フジヤマ・ゲイシャ」を売りにしていたとのたまうようなフシが見られるのです。するとこれは、日本人の特質である、「ご破算で願いましては」による「戦前はすべて悪である」との認識によるものか、少々悩ましいところではあります(何しろ、こちらは厖大な資料にあたっておりますから、安物の二次資料を引き写した面々と違ってこうしたことが言えるわけでして)。

 ところで、戦前の世評がいかなるものであったか、それを調べるのは当時の新聞記事しかないのでありますが、簡便にチェックできる満足な資料としてはヨミダス歴史館くらいしかなく、(朝日のもありますが、これはちと怪しい。他の新聞に至っては、データベース(作りゃいいってもんでもないのですが)すらない有様で、結局私の得意(観光学学徒の最も不得意な)とする「総ざらえ」しかない訳です。(続く)